賃貸物件を探す際には、物件検索サイトを利用することも多いでしょう。

 もはや、ネットで物件情報を検索しない人は居ないといっても過言ではない時代ですが、サイトによって情報の量や、情報の質は大きな違いがあります。

 物件数という量ばかりが多く、希望条件を検索しても良い物件情報が検索できずに困ったことはありませんか。しかも、同じ物件ばかりが検索結果に表示され、その問い合わせ先だけが異なっているという状態に違和感を持った人が少なくないと思います。検索結果のうち、半数以上が同一物件であったとするならば、そのサイトはあまり有用ではないと感じてしまうでしょう。

 同じ物件ばかりが沢山掲載された結果、掲載物件数が増えるという不思議な現象は正常な状態とはいえないかもしれません。

 上記の状態が散見される理由は、情報流通過程に構造的・潜在的原因があるといえます。まず、物件を管理する管理元が情報を発信する最源流である訳ですが、情報流通先は、この最上流だけとは限らないという実態があります。

 簡単にその情報経路を説明すると、管理元不動産会社のホームページ→管理元が直接、発信した情報を掲載するサイト→その情報をコピー・複製して掲載する二次利用サイト→二次利用会社のホームページなど→さらに二次利用情報をコピー・複製して掲載する三次利用サイト→三次利用会社のホームページ→同様に四次利用・五次利用されているサイトなどといった流れで拡散していきます。この経路自体に問題がある訳ではありません。

 問題があるのは、無断で情報をコピー・複製して、無許可で掲載などを行い、情報を拡散させることです。このように、コピー・複製がなされる過程で、情報は古くなるばかりか、正確性を欠いていく場合もあります。間違った情報に変質したり、故意に加工しオトリ広告に利用されたり、情報が劣化されてしまうケースが、もはや正常な状態ではないといえます。

 単純に、管理元から許可を得て物件情報を二次利用する会社が三社あったとします。この二次利用サイトから情報を無断で取得し三次利用する会社が、それぞれ五社あるとすると、元情報が200件として、二次利用で600件、三次利用で3,000件と情報量が増えていく訳です。

 これが、情報流通過程が下流側になるほどに増えていく構造的・潜在的原因です。きちんと、物件管理元に許可を得て最新情報に更新され、正しい情報がサイト上に反映されていれば問題はないのですが、流通過程が下流になるに従い、情報が劣化していき、古い情報や間違った情報に変質していき、更にその数が増えていくというのが厄介な話なわけです。

 下北沢駅より徒歩圏の賃貸マンションの情報を管理元のみが掲載するサイトでは約200件の情報量しかないにも係わらず、別のサイトでは約1,700件、さらに別のサイトでは約3,000件と実態を反映していない量に増えてしまうという不思議な現象が発生するわけです。

 そもそも、検索結果に同じ内容ばかり表示されては使勝手が著しく悪いものといえます。しかも、古くて間違っている可能性もある劣化情報は吟味する価値がなく、このようなサイトを利用するのは時間の無駄なだけです。

 情報は量よりも質であるという事は当然ですが、情報を収集する場合には流通過程のより上流側から収集すべきという事を知る必要があるでしょう。下流に従い量が増えるという構造的問題・下流に従い情報が劣化する恐れという潜在的問題を把握しておく必要があります。

 検索結果に同じ物件情報ばかりが表示され、しかも、それが別々の不動産会社であるようなサイトは、情報流通経路の下流側に位置するサイトである可能性が高いと思われます。

 すなわち、情報収集の質を重視するならば、より上流側に位置するサイトから情報を収集する必要があります。できれば、賃貸であれば貸主から直接に依頼された情報のみに限定して掲載し情報公開しているサイトが理想的です。

 このようなサイトは、あまり存在せず掲載物件数でいえば物量が少ないのが現実です。しかし、上記のように、情報が流通し拡散する経路では下流に従い増える傾向にありますので、掲載する物件数が少ないという物量の面は欠点ではありません。むしろ、良い物件を探す確率が高いサイトである指標となるかもしれません。現実に空室で入居者を募集している実態数と、掲載物件総数が乖離し余りにも多い物件量を掲載するサイトは注意が必要です。実態数を反映しているサイトほど掲載物件総数が少ない可能性が高いからです。

 そして、物件情報の流通過程で最上流に位置するサイトは何処か。それは、物件管理元が自社物件情報のみを公開するホームページなどになります。こういったサイトでは物件総数が少ないので、より多くの情報を掲載するサイトを調べたくなるのですが、上記の理由により、物件管理元が直接に情報公開しているサイトで情報を収集するのが得策だといえます。そこが、情報の発信源であり、流通元であるからです。二次利用・三次利用された情報を収集するよりも、元情報を直接収集するほうが、より新しい情報を得られる可能性も高いです。面倒かもしれませんが、管理元が情報公開しているホームページを個別に閲覧し利用してみましょう。

 最後に、情報収集は流通過程の上流側から入手すべし、このキーワードに留意して情報を吟味していきましょう。


 なお、大手ポータルでは、管理元公開情報と二次利用会社公開情報が混在して掲載されているケースもあります。必ずしも、元情報サイト、二次利用サイト、三次以下サイトというように区分されて別個にサイトが存在するわけではありませんので、ご注意ください。